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デイリーアイDaily eye

シャープ、シリコン生産撤退 新日鉄マテと合弁解消(2012.3.28)

 シャープは28日、新日鉄マテリアルズとの共同事業会社であるSOG(ソーラーグレード)シリコンの製造販売を手掛けたNSソーラーマテリアルズについて、2012年9月末の生産中止とともに、2014年3月末をもって解散することを発表した。
 結晶系太陽電池の根幹原料であるポリシリコンを巡っては、2006年当時の急激な太陽光発電市場の成長に伴い、需給が逼迫。一時500ドル/kgにまで暴騰したことを受け、主流だったジーメンス法による半導体グレード(純度11ナイン=99.999999999%)シリコンの代替目的に、SOGシリコンの開発・製造が一種ブーム化していた。
 シャープと新日鉄マテリアルズ両社も06年、製鉄プロセスでの冶金技術を活かした低廉なポリシリコン製造を目指し、NSソーラーマテリアルを設立。以降生産を続けてきたと見られるが、冶金法という製法自体にシリコン内に鉄やチタン、アルミ、リンなどの重金属が混入し、太陽電池モジュールの性能を低下させるとの懸念があった。技術的なブレークスルーが立ちふさがり、大量生産を可能としたメーカーはいまも少ない。
 技術的に確立されたジーメンス法が、年産能力数万tレベルの生産拠点を次々と建設するなか、冶金法ではエルケムソーラー(ノルウェー)の同6000tのプラントが最大だ。
 その一方で、グローバル市場は、需要の70%を占める欧州が、債務危機やFIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)の大幅な改定を進め停滞。しかし、韓・中などの新興ポリシリコンメーカーは大胆な能力増強を図り、需給ギャップから11年後半より市況は著しく下がっていた。すでにスポット価格すら30ドル/kgを切り、12年3月には28ドル/kgとなっている。
 こうした市況概況を受け、両社は収益確保の可能性は極めて厳しいと判断、生産中止と解散に至ったとする。なお、冶金法によるポリシリコン製造技術に関しては、海外メーカーなどを視野に設備や特許を含め売却する予定だとしている。(2012.3.28)

お詫びと訂正
 PVeye2013年3月号24頁4段目の右から3〜4行目に「多数台連系の認証を取得」とありますが、正しくは「独自に複数台連系の試験を実施」です。読者の皆様、また関係者の方々にご迷惑をおかけしましたことをお詫びし、訂正いたします。
      
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