TEL、スイス・エリコンソーラー買収（PVeye）

デイリーアイDaily eye

TEL、スイス・エリコンソーラー買収　　　　　　　　　（2012.3.3）

　東京エレクトロン（東京都港区、竹中博司社長＝TEL）は3日、スイスのOCエリコン社（ミヒャエル・ブッシャーCEO）と協議し、OCエリコン社の100％子会社で太陽電池モジュール製造装置大手エリコンソーラーの株式譲渡契約を締結、エリコンソーラーを買収することで合意した。詳細については公表していない。
　TELは2009年からエリコンソーラーのアジア・オセアニア地域の販売代理店として薄膜シリコン太陽電池モジュール一貫製造ラインを販売してきた。この買収で、エリコンソーラーの持つ高効率化・低コスト化技術と自社の製造装置技術や顧客サービスを融合し、相乗効果を発揮する。
　エリコンソーラーは、量産用薄膜シリコン太陽電池モジュールのターンキー製造ラインで高い実績を持つ。顧客の工場では計870MWの生産能力のあるラインが稼働している。最新のターンキー製造ライン「ThinFabTM」は、低コスト・高品質のモジュールの製造が可能。新設計ではW単価1ドルまで太陽電池モジュールへの設備投資額を減少させることができ、顧客がこの新しい製造ラインを使えば、W単価約0.5ドルの薄膜シリコンモジュールを製造できるとしている。10年12月期の売上高は、2億5400万スイスフラン。従業員数は675名。
　TELの竹中社長は、「エリコンソーラーの代理店活動を通じて（エリコンソーラーの）技術力を確認した。これを機にさらなる性能向上を図る。今後、太陽光発電市場での事業構築は当社の成長戦略の一端だ」と語る。
　OCエリコン社のミヒャエル・ブッシャーCEOは、「TELは理想的なストラテジックバイヤー。今回の売却は従業員にとっても最善の解決策であると確信している」とコメントした。