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太陽光発電の専門メディア 月刊誌“PVeye(ピーブイアイ)” 25日発刊

デイリーアイDaily eye

JFEスチール、ソーラーシリコン生産から撤退    (2012.5.25)

 JFEスチール(林田英治社長)は25日、SOG(ソーラーグレード)シリコンはじめインゴット、ウエハ生産から事業撤退すると発表した。3月末にはシャープも、新日鉄マテリアルズとの合弁事業であるSOGシリコンからの撤退を公表したばかり。相次ぐ撤退によって、鉄の精錬技術を応用した冶金法によるシリコン生産は、国内メーカーが総じて撤退するという事態を迎えた。
 結晶系モジュールの根幹原料であるポリシリコンは、06年当時の急激な太陽光発電市場の拡大によって需給バランスが崩壊。一時500ドル/kgにまで暴騰する状況を生んだ。そのため主流のジーメンス法による半導体グレード(純度11ナイン=99.999999999%)シリコンの代替目的に、SOGシリコンの開発・製造が世界中で進んだ。
 JFEスチールもまた01年に、製鉄プロセスでの冶金技術によって安価なポリシリコン製造を目指し参入。その製法とは金属シリコンを真空中で溶かしリンを除去し、アルゴンプラズマの熱と水蒸気を利用して、ボロンを取り除くというもの。
 07年に岡山県倉敷市の西日本製鉄所内で年産100tの商業プラントを稼働させ、08年には400tまで増産。売上げ規模も180億円となっていた。その当時、ジーメンス法と比べ設備投資額を低減できるといった特徴から、安価な製造法として注目を集めた。
 しかし、グローバル市場は需要の70%を占める欧州が、債務危機やFIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)の大幅な改定を進め停滞。だがその一方で、韓・中などの新興ポリシリコンメーカーが大胆な能力増強を図り、需給ギャップから11年後半より市況は著しく下がっている。すでに12年5月にはスポット価格でさえ、22ドル/kg台となった。
 こうした市況概況を受け、JFEスチールでは収益性確保の可能性は極めて難しいと判断し、シリコン、インゴット、ウエハ事業からの撤退を決定したという。
 一連の生産中止は半導体シリコンウエハ大手のSUMCO、パナソニックの米国工場などへも波及。国内勢による原料生産が岐路に立たされている。(2012.5.25)

お詫びと訂正
 PVeye2013年3月号24頁4段目の右から3〜4行目に「多数台連系の認証を取得」とありますが、正しくは「独自に複数台連系の試験を実施」です。読者の皆様、また関係者の方々にご迷惑をおかけしましたことをお詫びし、訂正いたします。
      
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